2012年6月9日土曜日

2012/06/02 ハンガリーフェスティバルin愛知

当センター代表も理事を務める愛知県ハンガリー友好協会の恒例の行事、ハンガリーフェスティバルin愛知が今年も名古屋国際センターで開催されました。

 今年のメインはチェロによるハンガリーの調べと、ハンガリー人によるトークショーです。 昨年も大好評だったハンガリーの味の紹介と、恒例のハンガリーの子どもたちの絵画展とハンガリー刺繍サークルの作品展もあります。愛知県の刺繍サークルの作品は、ヴァリエーションも豊かで、定評があります。




  
 私は主にハンガリーの物産紹介を担当しました。




ハンガリーの物産

  開場後、挨拶に続き、チェロとピアノによるハンガリーの名曲が演奏されました。私はロビーにて物産担当のため、演奏の様子は残念ながらわかりません。


開場直後の会場


 今回初の試み、ハンガリー人のトークショー。ハンガリー関係のことをしている人にはなぜか愛知県出身の人が少なくありませんが、愛知県に住んでいるハンガリー人も実はたくさんいて、しかも普段からの交流が盛んです。

 今回は、愛知県ハンガリー友好協会のハンガリー語講座を担当している山口チーラさんを中心に、ハンガリーにルーツを持つ6人が、日本語でトークショーを行いました。日本での生活・ハンガリーでの生活、国際結婚や家族について、祝日についてなど、工夫されたスライドとともに、わかりやすく、面白く伝えていただきました。トークショーの時間は私はカメラ担当となり、会場の皆様が楽しんでいらっしゃる様子を直に感じることができました。

トークショー「日本で暮らすハンガリー人」

 トークショーに続いて、ハンガリーの子どもたちと絵画交換をした犬山市の子どもたちに感謝状が贈られました。

 そして、皆さん待ちに待った交流会。ハンガリーのサラミと手作りグヤーシュスープ、お菓子とワインなどをご賞味いただきつつ、参加者の方同士交流の時間です。



ハンガリーのワインや食べ物も大人気


 天気にも恵まれ、後半には椅子を追加しなければならなかったほど、大勢の方にご参加いただきました。これからも年に一度のイベントとして、地域の皆様に楽しんでいただければ幸いです。


2012/05/19 桜蔭会愛知県支部総会

出身大学の同窓会地元支部総会後の講演会にて、「舞踊研究から広がる世界~ハンガリーとトランシルヴァニアの民俗舞踊を通して~」と題してお話をさせていただきました。

私の出身大学には、全国でも唯一と言われる舞踊教育学科(現:芸術・表現行動学科)があり、私はそこで学びました。講演では、ハンガリーの舞踊を専門に選ぶまでの経緯や、大学時代の生活と研究、修了後の活動や農村生活のことなどをお話ししました。

同窓会が主催ではありますが、一般公開の講演会で、どのような方々がいらっしゃるかと思っていたところ、聴講者のほとんどは出身大学の先輩方で、中には同専攻の方もいらっしゃいました。拙い講演ではありましたが、興味を持って聴いていただき、活発なご質問もいただきました。

これを機に、地域の同窓の皆様との交流の場を得ることができ、うれしく思いました。このような機会をいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。


質問を受ける筆者

2012/04/01 ハンガリーのターンツハーズ運動40年 (4)

第31回全国ターンツハーズの集いと展示即売メイン会場での2日目。

イベントのタイトル通り、ハンガリーはもとより、世界各地の友人・知人と会うことができ、また、共通の興味関心を持つ人との新たな出会いもあります。

私がハンガリーに初めて行ったのが1996年、ブダペストのターンツハーズを初めて経験したのが修士論文調査時の1999年のことでした。その後2回のブダペスト留学時にも頻繁にターンツハーズに通い、 多くの人と出会いました。その後月日が流れ、小さな子どもだった人たちが指導的な立場にもなり、素晴らしい演奏や踊りを見せてくれた人たちの中には、残念なことに既にこの世を離れた人も少なくありません。そのような中、古くからの友人や知人に会うと、本当に懐かしくうれしい気持ちになるものです。

トランシルヴァニア・セークから

トランシルヴァニア・カロタセグから

夜は、会場を移動します。 場所柄か、若者が多いですね。この日はこのようなイベントのときだけ会えるイギリスとオランダからの知人たちとご一緒させていただきました。

モルドヴァの踊り

複数の部屋で同時進行します
 

翌朝ハンガリーを発つため、日付が変わる前に宿舎へと向かいました。

2012年6月8日金曜日

2012/03/31 ハンガリーのターンツハーズ運動40年 (3)

ターンツハーズ運動40年記念国際会議2日目は、第31回全国ターンツハーズの集いと展示即売と同時開催です。


開場はブダペストの競技場


国際会議2日目は、14人の報告者による発表です。ハンガリー語圏でのターンツハーズ運動、異文化圏でのターンツハーズ、そしてハンガリー以外の踊りとターンツハーズという3つの分野に大きく分けられていました。

私も日本におけるターンツハーズについて報告しました。

「日本におけるターンツハーズ」報告

国際会議が終わり、ようやくイベント全体を見て回る余裕ができました。まずは、昨日の会場から引っ越してきたターンツハーズ運動40年記念展示を再度見てみました。

ターンツハーズ運動40年記念展示

メイン会場のアリーナもたくさんの人でにぎわっています。

メイン会場

一旦宿舎に戻り、夕食をとった後、会場に戻りましたが、メイン会場のプログラムはほぼ終了、夜中の舞踏会会場へ地下鉄に乗って移動しました。

夜の会場

会場に着くと、既に大勢の参加者で熱気に包まれていました。

演奏は、トランシルヴァニアのメゼーシェーグ地方の伝統保持者楽団。本当に楽しそうに、全身で演奏してくれる素晴らしい演奏家たちです。

マジャルパラトカの楽団

踊りを楽しむ人たち


終了後、三次会へのお誘いもありましたが、睡眠不足だったこともあり、また、翌朝からのプログラムもあるため、参加せず帰ることにしました。知人をタクシーに乗せて、自分は深夜バスで宿舎に向かおうと一駅歩いたところ、なんともう始発の地下鉄が動く時間になっていて、地下鉄で帰ることができてしまいました。

2012年6月7日木曜日

2012/03/30 ハンガリーのターンツハーズ運動40年 (2)

ヨーロッパ民俗学研究所主催のハンガリーのターンツハーズ運動40年の国際会議1日目は2012年3月30日にブダの伝統の家(Hagyományok Háza)にて行われました。前回参加したの30年記念の行事からもう10年も経ったのですから時の経つのは早いものです。

プログラムは10時から17時まで、盛りだくさんの内容でした。

まずは、40年間続いたターンツハーズ運動に関する写真展の開会式典。ハンガリー国立民俗楽団による演奏で、参加者が男性舞踊を踊りました。


オープニングの男性舞踊



続いて、ブダペスト初のターンツハーズ演奏家であるシェベー・フェレンツとハルモシュ・ベーラによるメゼーシェーグ民謡「小麦は実らなければならない」。これは今回の記念行事のタイトルにもなっていて、40年を経て成熟の時期を迎えるターンツハーズ運動を喩えたものでもあります。

40年前、初めてブダペストでターンツハーズを開こうとしたとき、農村本来の民俗舞踊を踊るためには、当時のブダペストでは知られていなかった農村本来の演奏法による音楽が必要となりました。 その役割を担ったのがハルモシュとシェベーでした。少ない資料を基に研究し、困難な現地調査を重ね、現在の都市ターンツハーズの基礎を作った、ターンツハーズ運動の功労者です。

ブダペスト初のターンツハーズ演奏家シェベーとハルモシュ


記念行事には、ターンツハーズ運動に関わる大勢の実践者・研究者・愛好者が国内外から駆けつけました。

休憩中のロビーの様子


国際会議の部では15人の専門家たちが、ターンツハーズ運動に関わる様々なテーマについて報告をしました。

2012年は、ハンガリーの民俗舞踊研究において大きな功績を遺したマルティン・ジェルジュの生誕80年にも当たります。これを記念し、舞踊家でもあり、木彫家でもあるエルデーイ・ティボル氏(下の写真右から3人目)の木彫によるマルティンの銘板の除幕式が民族学者アンドラーシュファルヴィ・ベルタラン博士(写真右端)によって行われました。


マルティン記念銘板の除幕

午後も国際会議は続きます。短時間に多くの情報が入ってくるので、聴講するだけでも気力と体力を使いますが、どれも興味深い報告ばかりです。

ターンツハーズ40年記念国際会議のプログラムは
http://tanchaz40.eu/program/ (ハンガリー語)

夜は、会場を移動して、第31回全国ターンツハーズの集いと展示即売のガラ公演を鑑賞しました。


ガラ公演の会場「芸術の宮殿」



2012年6月6日水曜日

ハンガリーのターンツハーズ運動40年 (1)

ターンツハーズというのは、ハンガリー語で直訳すれば踊りの家という意味ですが、生演奏で民俗舞踊を自由に踊る娯楽の場や機会を指す言葉です。

トランシルヴァニアのセーク村には若者たちが農家の一室や納屋などを借り切って民俗舞踊を楽しむ習慣があり、それを「ターンツハーズ」と呼んだのがもととなっています。

伝統的な農村社会でのターンツハーズを首都ブダペストの人たちが「発見」し、ブダペストに導入したのが1972年、今から40年前のことでした。農村での本来の姿の民俗舞踊と民俗音楽が再評価されるきっかけとなったターンツハーズは各地に広がり、後に「ターンツハーズ運動」と呼ばれるようになるのですが、このターンツハーズ運動の40年を記念する国際会議がヨーロッパ民俗学研究所によって2012年3月にブダペストで開催されました。



ヨーロッパ民俗学研究所によるターンツハーズ運動40年記念国際会議と展示に関する特設ページは
http://tanchaz40.eu/
(ハンガリー語)